助六 紫鉢巻きの蘊蓄(うんちく)

2月3日に亡くなられた「 十二世 市川團十郎 」さんの棺には、4月「 新歌舞伎座 」で演じられる予定だった「 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)、通称 助六市川宗家 歌舞伎十八番 )」の衣装と紫の鉢巻きが入れられたと報じられていました。  又 今日( 11日 )放送された「 NHK 市川團十郎をしのぶ 」でも「 助六の一部 」が放送されました。
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市川家以外の俳優が「 助六 」を演じる時には、例えば尾上家の場合は「 助六曲輪菊(すけろくくるわのももよさ) 」片岡家では「 助六曲輪初花桜 」という名題で上演されます。  

この「 紫色の鉢巻 」は 歴史があります。 江戸時代「 江戸三千両 」と言われ、朝の「 魚河岸 」、昼の「 芝居 」、夜の「 吉原 」で 一日に各々千両づつの大金が動くと言われていました。 「 助六 」という芝居は、この三カ所の協力によって上演されたことから、魚河岸 や 吉原 などへ挨拶に廻り、また吉原からは傘と箱提灯、魚河岸からは鉢巻と下駄を贈るのが慣例となって、今に引き継がれています。 ただ今は 御贔屓筋の「 築地市場の魚河岸会長 」より助六の鉢巻や下駄は品物でなく「 目録 」で渡されるそうですが。又 この「 紫色の鉢巻 」は、舞台の照明が当たっても、色が変わらない様に「 糸で染めてから反物に織る 」らしいです。反染め(白生地を染めても)では色が変わり 本来の紫色が出ないらしいです。  正に 伝統文化ですね。

助六の紫の鉢巻は「 病鉢巻 」ではありません。顔の右に結び目がある助六の鉢巻は、みなぎるパワーと健康、喧嘩に強い男っぷりの良い証なのです。病鉢巻とは逆に鉢巻を巻くという奇抜ないでたちは、まさに放蕩無頼、異端の傾き者(カブキモノ)の粋を表現しているとも言われており、黒羽二重の小袖、紅絹(もみ)の裏地、江戸紫縮緬の右結びの鉢巻、黄色い足袋。この鮮やかな色彩のきりっとした衣装の背中には尺八、そして手に蛇の目傘。 
格好いい~   歌舞伎ファンにはたまりませんね。

この鉢巻きの色を「 江戸紫 」と言いますが、病鉢巻は文字通り病人が巻くもので、紫草(ムラサキ科ムラサキ属の多年草)の根には解熱、解毒の生薬としての薬効があり、これで染めた鉢巻を額に巻くことで病状を和らげられると考えられていました。。時代劇の場面で、病にふせる殿様が巻いているのを見た人もおられるかと思いますが、結び目は左側にあります。 でも 記憶が定かではありませんが「 鉢巻き 」は白かった記憶がありますが。  元々「 江戸紫 」は、江戸時代に江戸で流行していた京都の紫染を、ある僧侶が収穫した紫草の根を用いて江戸の地で染めたことに因を持っている色だとされています。

「 紫の鉢巻 」は女性では「 廓文章 吉田屋 」の花魁 「 傾城 夕霧 」も巻いていますよね。  これは左側ですから、花魁が 病気であった事を 表現しています。
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「 四天王御江戸鏑( してんのうおえどのかぶらや ) 」の「 四幕目 第一場 二条大宮源頼光 館の場 」で、頼光が風邪を引いている場面では、「 中村 時蔵 」さんが、病鉢巻 をしています。
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又 変わったところでは「 故 中村勘三郎 」さんが「 鰯売恋引網( いわしうりこいのひきあみ ) 」で、傾城に惚れた鰯売り を演じて、恋の病に 陥った時の「 病鉢巻 」は、色が ピンクです。
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早々「 助六 」にはお寿司の「 助六 」があります。 助六( 鉢巻 → 海苔( 紫色 )巻き ) と 花魁 揚巻( あげ → いなり )からの銘々とか江戸っ子らしい洒落た命名ですよね。  歌舞伎を観に行くと「 助六寿司 」が売られています。 新橋演舞場の寿司は、他の食べ物も含め 上品な味に仕上げられています。  ところで、確か 紫の海苔って、緑色の海苔より 高いですよね。
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