「葵祭」を見物しました【其の弐】

今日は「 葵祭 」のハイライト「 路頭の儀( 行列 )の「 本列 」に就いて書きました。
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【 路頭の儀( 行列 )の概要 】
行列は午前10時半に京都御所を出発し、下鴨神社を経て上賀茂神社へと向かいます。  その距離約8Kmです。  行列は、本列 [ 第一列( 検非違使・山城使 等 )、第二列( 馬寮使・牛車 等 )、第三列( 舞人・近衛使代 等 )、第四列( 陪従・内蔵使 等 )] と その後に続く [ 斎王代列 ]」とに分かれています。  

葵祭の様子は「 源氏物語 」や「 枕草子 」にも描かれており、近衛使として葵祭に奉仕する光源氏を一目見ようとした、妻 「 葵の上 」と「 六条御息所 」との車争いの場面がよく知られています。
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【 本列 】
勅使の代役を務める「 近衛使代(このえつかいだい )」が中心となっています。

・乗尻( のりじり )
行列を先導する騎馬隊で上賀茂神社の「 競馬会( くらべうまえ )」の騎手。  左右に各3騎配置され競争相手の為、左方と右方で衣裳が異なります。
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・素襖( すおう )
行列の先払い( 藍色の竜の模様の衣・袴が素襖と呼ばれます。

・看督長( かどのおさ )
検非違使庁の役人で、今の巡査に当たります。
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・火長( かちょう )
検非違使庁の役人。

・検非違使志( けびいしのさかん )
警察、裁判を司る人です。  志は長官より四番目の役、六位で、「 縹( うすい藍色 )」の「 閾腋炮( けってきのほう、両腋を開け縫合せずに仕立てた着物 )」で「 纓( 冠の後に垂れているうすもの )」の巻いた冠に「 綾( かいかけ、冠の両耳のところにつける毛で作った飾り物 )」を付け、剣をもち「 狩胡錬( かりやなぐい、矢を入れる器具 )」を背負い、弓は調度掛が持ちます。  検非違使志の上役で、警備の最高責任者に当たります。
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・検非違使尉( けびいしのじょう )
「 太夫尉( だいぶのじょう )」で、五位の判官( はんがん )。  巻いた櫻の冠で綾は付けず、「 縫腋の袍( ほうえきのほう、袖の下より両腋を縫いふさぎ、裾には絹をつけてある着物 ))を付けています。  「 裾( きょ、束帯の後に長く垂れたもの )」は、「 青朽葉色( あおくちばいろ )」。  弓つるを懐中し、馬具にも「 朱絨( しゅふつ )」の「 辻総( つじふさ、房の間隔のあるもの )」をつけています。
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・山城使( やましろつかい )
山城介( やましろのすけ )で国司庁の次官。  この行列が御所を出るとすぐ洛外になり国司の所管に入るので警衛の為に加わったものと考えられる。  「 馬副手振( うまぞいてふり、馬副の一種 )」、「 雑色( ぞうしき、人夫下僕 )」、「 白丁( はくちょう、御幣櫃 などをかつぐ役 )」等を従えています。
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・御幣櫃( ごへいびつ )
御所から両神社へ納められる「 御幣物( 御幣とは、神道の祭祀で用いられる幣帛の一種で、2本の紙垂を竹または木の幣串に挟んだ物 )」を入れる唐櫃です。
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・内蔵寮史生( くらりょうのししょう )
御幣物を管理する「 内蔵寮( 金銀宝器を保管し、供進の御服、祭のみつぎものなどを司った役所 )」の「 流外官( りゅうげんのかん、本官の下司、相当の位階の無かった人 )」、七位で「 標色( はなだいろ )」の炮の束帯。  文官です。
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・馬寮使( めりょうつかい )
走馬を司る「 左馬允( さまのしょう、左馬寮の長官より第三番目の役 )」六位です。  武官の束帯姿で、黒漆の弓を調度掛に持たせます。  走馬を司る武官。
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・御馬( おうま )
「 走馬( そうめ )」とも呼ばれます。  両神社の神前で走らせ、神々にご覧に入れる馬で、二頭の馬の頭と尾には葵、桂、紙垂れを付けている。
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・牛車( ぎっしゃ、御所車 )
祭礼の行列には「 牛車 」が2台登場します。  その内の1台が 近衛使代の「 牛車 」です。  正式には「 唐庇網代杏葉車( からびさしのあじろぎょうしゃ )」と言います。  上皇、摂関、勅使用の大型の牛車です。  軒又は腰に藤花、杜若( かきつばた )、紅梅、白梅などの風流( ふりゅう )を飾りつけ、「 車輪の音 」をたてながらゆっくりと進みます。  「 動画 」にて、車輪の「 軋む音 」をお聞き下さい。  平安時代も同じ音がしたんでしょう!  美しい装いをした大牛が引き、小さな童は水干姿( すいかんすがた )で綱を持ち、更に替牛が続きます。
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・舞人( まいびと )
東游( あづまあそび )を舞う武官。  服装は舞装束で緋色の無地閾腋( ばったき )の炮で、巻縷綾( まきえいおいかけ )の冠。  袴箔押摺袴( はくおしすりばかま )です。
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・陪従( べいじゅう )
上賀茂・下鴨神社の社頭で歌を唄い、楽器を演奏する武官です。  勅使に陪従する意味から出たもので、服装は楽人装束、この祭に特有な様式です。  帯剣で騎馬七名。
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・朧( くとり )
内蔵寮の御馬の役人です。

・近衛使代( このえつかいだい、勅使 )
行列中最高位の人です。  天皇の御使で現在は宮内庁の掌典が務めます。  行列には勅使は参加せず、近衛使代がその役割を務めています。  殿上人級の武官であるから姿も立派で右腰に銀製の魚袋( ぎよたい、束帯の時につける装飾の具 )を付けており、他には見られない珍しいものです。  騎馬で、「 走雑色朧( くとり )」、「 居飼( いがい )」、馬副、随身、手振、小舎人童、「 牽馬( ひさうま )」、雑色、取物舎人、白丁を引きつれます。
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・ 随身( ずいじん )
高官の護衛に当たる。

・牽馬
勅使の替え馬で帰路はこれに乗馬して帰ります。

・内蔵使( くらつかい )
内蔵寮の次官で、御祭文を棒持する役です。
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・風流傘( 京都御苑 )
大きな傘に紺布を貼り、これに錦の帽額総などをかけわたし、上に様々な造花を飾った物です。
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・風流傘( 下鴨神社 )
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・風流傘
山城使の所用品です。
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明日は「 路頭の儀( 行列 )の「 女の列 」に就いて書きました。

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