山ちゃんの徒然日記

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zoom RSS 「 目黒のさんま 」と「 爺々が茶屋 」

<<   作成日時 : 2018/03/01 05:00   >>

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古典落語に「 目黒のサンマ 」というお噺があります。  今日は 茶屋の実話と、それを題材にした落語の噺に就いて書きました。
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江戸の初め、田道橋( 目黒川に掛かる橋 )を渡り三田方面に通ずる坂上の所に、1軒の茶屋が有りました。  目黒不動尊の近くに「 鷹狩り場 」があり、時の第三代将軍 徳川家光は 家来と共に出掛けました。  帰り際この茶屋に 毎回寄って休息をとっていました。  家光は、茶屋の主人彦四郎の素朴な人柄を愛し、「 爺、爺 」と話しかけた為、いつしかこの茶屋は「 爺々が茶屋 」と呼ばれるようになりました。  説明によると その都度 将軍は「 銀1枚 」を与えたと書いて有ります。  ある時、家光は「 何時も世話になっている。  何か欲しいものがあったら申してみよ 」との仰せ。  彦四郎は恐縮しながら、自分の屋敷の周囲を1町程度 拝領したい旨申し出て、これを拝領しました。  此所までは実話で、ここからは 落語として創作された話です。

例によって遊猟の帰途、茶屋に寄った殿様( 殿様は不定 )は、空腹を感じて彦四郎に食事の用意を所望されましたが、郊外の茶屋で、急に言われても将軍の口に合うものがありません。  やむを得ず、あり合わせの さんまを焼いて差しあげたところ脂ののったさんまの味は、格別だったらしく、大変ご満悦で帰られました。

その後 将軍は、脂ののったさんまの味が忘れられず、家来にさんまを所望されました。  当時さんまは、庶民の食べ物とされ、前例が無ないことから ご家来衆は大変困った末、早速房州の網元から早船飛脚で取り寄せました。【 噺家により 日本橋魚河岸、芝浜の魚市場( ざこば )、別の魚市場、目黒川 等があります 】  何かあったら困ると思案し、さんまの頭をとり、小骨をとり、蒸して脂肪を抜いて差し出した。  随分と茶屋で食べたのと違い、姿も壊され、味も素っ気も無くなったさんまに、びっくりしたのは殿様であります。  ご家来衆に

「 これを何と申す 」
「 は、さんまにございます 」
「 なに、さんまとな。   してどこでとれたものじゃ 」
「 は、銚子沖にございます 」
「 なに銚子とな。 銚子はいかん。   さんまは目黒に限る 」

この噺が、落語「 目黒のさんま( 成立時期等は不明 )」です。  殿様が 海と無縁な場所( 目黒 )で獲れた魚の方が美味いと信じ込んでそのように断言する、というくだりが落ちです。

目黒のさんまの話は別として、「 爺々が茶屋 」の子孫は「 島村家 」で、坂下の目黒ニ丁目に住んでおられ、代々「 彦四郎を襲名( 現在は止められている )」されて来ました。  島村家には、今なお当時の様子を伝える古文書「 御成之節記録覚 」や「 茶屋の図 」が保存されているらしいです。  以下の文章は、元文3年( 1738 )4月、第8代将軍 徳川吉宗が茶屋に立ち寄った時 彦四郎との微笑ましい会話です。

「 藤の花は、咲くか咲かないか 」
「 少々、20房から30房ばかりですが咲きます 」
「 花は長いか短いか 」
「 野藤なので短こうございます 」
「 どのくらいの長さか 」
「 せいぜい7寸から8寸でございます 」
「 野藤ゆえ、そうであろう 」

そして 第10代将軍 徳川家治
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鷹狩りの( 安永15年2月7日 )際には、団子100串、田楽100串 を注文したとの記録も残されています。
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以外と将軍が庶民的だったのを垣間見る事が出来ます。 この「 爺々が茶屋 」は歌川広重の「 名所江戸百選 」にも描かれています。  錦絵では 高台にあり、遠く 富士山が望めています。  近くから 富士山 方向を見ましたが、ビルのみ見えました。
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茶屋坂は、昔は大変寂しい所だったらしく明治維新で世情が混乱していた頃は、茶屋場は度々泥棒に見舞われ、ついに島村家は、坂下に移住することになったのです。  今日では、茶屋場の跡を正確に知る由もありませんが、茶屋坂の周りは、高台で展望が良く目黒というイメージも良いことから 住宅と高層のマンションが建ち始めました。  近くには「 目黒清掃工場 」、「 陸上自衛隊 目黒駐屯地( 防衛研究所・艦艇装備研究所 )」等で町の景観を変わってしまいました。  実話を巧みに落語の題材にしたのが面白いですね。

【 爺々が茶屋の場所 】
現在の「 茶屋坂 」近辺にあったとされています。  当地には目黒区教育委員会によって「 茶屋坂と爺々が茶屋 」という標識が設置されています。  同地と目黒清掃工場の間に「 茶屋坂街かど公園 」という公園があり 説明板があります。  写真等は後述。

【 鷹狩場 】
江戸時代、将軍は広大な鷹狩場を6箇所( 6筋 )持ってり、「 御拳場 」と呼ばれていました。
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その中の一つが「 目黒筋 」で、文化2年( 1805 )の「 目黒筋御場絵図 」によれば
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「 目黒筋御場 」の範囲は 馬込・世田谷・麻布・品川・駒場といった非常に広い範囲が含まれます。  江戸期に目黒筋鷹狩場の番人の屋敷であった場所は、「 鷹番 」と呼ばれていました。  帰りに 目黒道りを都立大学駅迄 バスで移動した際、バス停に「 鷹番 」が有りました。
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【 目黒のさんまに因んだ祭り 】
この噺に因み、平成8年( 1996 )年から目黒駅を挟んで二つの祭りが生まれ、更に2つの祭りが加わりました。

・目黒のさんま祭り
 毎年9月第1集集の日曜日( 品川区の商店街が主催の私費
 行事、会場は誕生八幡神社。  サンマは岩手県宮古産。  
 大根おろしは栃木県高林町産。  徳島県神山産のすだちを
 使用。  更に付け合わせとして東京新高屋のべったら漬が
 振る舞われます。

・目黒のSUN祭り
 毎年9月第2集集の日曜日( 目黒区が主催 会場は田道
 広場公園(上述の茶屋坂近く)および区営近隣施設。  
 サンマは宮城県気仙沼産。  大根おろしは宮城県産。
 大分県臼杵産かぼす。
 二つの祭りは、毎年開催日がずれており、双方とも楽しむ
 ことが出来ます。  開催日がずれる最大の理由は、品川区
 上大崎の「 さんま祭り 」が岩手県宮古、目黒区の「 SUN
 まつり 」が宮城県気仙沼で水揚げされるものを使用するため
 で、各々の旬にあわせて1 - 2週間ずれているのです。  
 どちらも露天の下で焼かれたサンマが無料で振舞われる。

他に「 となりの恵比寿サンマ祭り 」や「 三陸・大船渡東京タワーさんままつり 」等も開催されています。

【 茶屋坂 と その周辺 】
前置きが長くなりましたが、その「 爺々が茶屋 」が在ったとされる 目黒区の「 茶屋坂 」を訪ねました。  行き方は GOOGLE MAP で調べると大まかに3通りあります。 内2つは、JR山手線の 恵比寿駅 又は 目黒駅 から歩いて行くのと、もう一つは 東急 東横線 中目黒駅 から 目黒川に沿って行く方法です。  どう見ても最初の2ルートは目的地まで複雑で、高低差もかなり有る様子( 武蔵野台地の南西部に位置し目黒川と呑川 とで 起伏の激しい土地を形成 )なので、中目黒駅 から行く( 目黒川 の桜も今年の春見て見たいので 下見も兼ねて )事にしました。  本来は「 目黒駅 」から行くのが正統かと思いますが。
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以下 歩いた箇所を 何時もの通り 緑色で地図に記入しました。
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久し振りに中目黒駅で下車。  随分と変わり高層マンションが建っています。
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山手通りから 駒沢通りを左折して、目黒川の右岸の 遊歩道を 歩きますが、両岸には 桜の大木が延々と植わっています。  桜の咲く時期は随分と賑わうことでしょう。
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整備がされた遊歩道が続き、結構ジョギングされている方達とすれ違います。  取り敢えずの目標は「 目黒清掃工場の煙突 」です。
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途中中里橋に出て今度は左岸を歩きます。
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目黒清掃工場を通り過ぎると田道橋に出ます。  振り返ると 中目黒の高層マンションが見えます。
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左折して清掃工場を一周しそして陸上自衛隊 目黒駐屯地 から「 茶屋坂 」へと向かいます。
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丁度「 茶屋坂 」と書いたバス停が有ったので、右折しました。  この辺りは 特に勾配が激しく20% と書いた看板が有ります。
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有りました、民家が建ち並ぶ茶屋坂の一角「 く 」の字になった所に 目黒区教育委員会が建てた「 茶屋坂と爺々が茶屋 」の案内板がありました。  案内の文書には「 山ちゃん 」が書いた内容が記されていました。
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此所から遠くに煙突が見えます。
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坂の途中に「 茶屋坂 」の標識があります。( 本来は 此所から 案内板 の方向に向かうのが コースです )
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更に坂をを下ると、坂を下りきった左手に「 茶屋坂街かど公園 」があり、江戸時代に 湧き出た清水を記念した碑があります。
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説明によると、以前書いた「 祐天寺 」に将軍 吉宗が お詣りに行かれた際にも、この地から湧き出る 清水でたてたお茶で喉を潤したと書かれています。
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この後、急勾配の坂を下りたり上ったりして JR目黒駅に向かいました。
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明日は 行人坂と権之助坂に就いて書きます。

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